支部リポート Vol.48
「第20回関東ブラインドテニス茨城オープン大会」開催
去る7/2(土)と3(日)に、「第20回関東ブラインドテニス茨城オープン大会」がつくば市にある洞峰公園体育館で開催されました。コロナ禍の影響もありましたが、関東地方のみならず、遠くは佐賀県や愛媛県、愛知県から25名もの選手が参加し、トーナメント戦とその後には交流戦も行われ、充実した2日間となりました。
今大会の様子をご紹介する前に、まずはブラインドテニス競技とその歴史について簡単にお話しておきましょう。
【ブラインドテニス競技とは?】
・視覚の強度によって、B1、B2、B3とクラスが分かれています。
・ボールは、中に鈴が入った直系10㎝ほどのスポンジ状のもので、音でボールの位置をつかみます。
・コートはバトミントンコートと同じ広さです。
・クラスによって、可能なバウンド数が3バウンドと2バウンドに分かれています。
・コートの広さによりラケットの長さに制限あります。
・基本のルールは通常のテニスのルールと同じです。
【競技ブラインドテニスの歴史】
以前は福祉の授業・訓練の一環として行われていたが、1990年に初めて競技として『第1回視覚ハンディキャップテニス大会』が埼玉県で開催されました。その後、海外(イギリス、スペインをはじめとする欧米諸国)に紹介したところ、広く届くこととなり、今では日本を超える勢いの活動や体制、競技人口、実力となりつつあります。
(ブラインドテニス協会事務局・杉本氏談)
JLTF茨城県支部では、25年前からハンディキャップテニス(ブラインドテニス、車いすテニス)のサポートチームを立ち上げ、大会だけでなく練習のサポートも定期的に行ってきました。今回の大会ものべ78名のJLTF茨城県支部会員はじめ、筑波大学や平成国際大学の学生のみなさんにボランティアサポートを行っていただき、総勢100名近い方々のご協力のもとに行われました。
私たちの仕事は、大会前のコート作りから始まり、当日は選手のみなさんの案内や付き添い、球拾い、ボールの手渡し、コートラインの消毒などです。ボランティアさんからは「ブラインドテニスの存在を知らなかった。今回、サポートをして、直に体験しないとわからないことがたくさんあると思った」「コロナや台風などで過去3年間も大会がなかったが、今後も、機会を作って参加したい」「技術の高さに驚いた、刺激があり新鮮で感動した」「審判をしたが、アウトボールの位置を問われて即座に言えなかったので、次回は気をつけたい」などの感想や反省が寄せられました。
今大会に参加されたJLTF小泉弘子副会長は、茨城支部のサポートチームの発足に関わり、その後も大会開催や練習サポートを積極的に行ってきた第一人者。
「自分が関わりながら25年以上の年月がたち、今回、大学生の世代にそのボランティア精神が受け継がれているということをとても嬉しく思います。子供の世代~孫の世代ということになりますね。ブラインドテニスの競技者は全神経を一球に注ぐ!―私たちは選手から感銘や刺激をもらい、明日から自分のテニスに向かうことができると思います。ボランティアは決して一方通行ではありません。またボランティアサポートは、心に余裕がないとできません。みなさんには、これからも無理をせず身の丈に応じたサポートができるようにお願いしたいと思います」と語っていました。
ところで、今大会でボランティアのみなさんが着用した赤いTシャツは、 2019年の茨城国体にブラインドテニスが参加をすることになったため、ラブ基金からの10万円の寄付で作ったものでした。ところが、同国体は台風19号により中止。その後もコロナ禍で大会の中止が続き、今大会で初めて袖を通すことができたのです。
ブラインドテニスはボランティアのサポートなくしてはできない大会ですが、選手や関係者の皆様からは「茨城県での大会は毎回素晴らしいと、お言葉をいただくことができました。今回のサポート経験を糧にして、これからもブラインドテニスが広まっていくことを願っています。
リポート/茨城県支部リポーター Marsha & Kogiharu