テニスの普及と指導
東エリア研修会報告(2)
大会中に起きる、痙攣・熱中症・捻挫・骨折等…の緊急処置の仕方
講 師 金森 彰浩氏(ドクター部門委員)
テニスにおける傷害
急性外傷
・骨折は少ない
・外傷は下肢に集中する
・足関節捻挫が最も多い
:傷害予防:傷害に対する知識を持つ、自分の体を知ることが大事
(本・テニスパフォーマンスのための医学的実践ガイド)
:応急処置:意識喪失(ほっぺをつねる、痛みに反応するか) →病院へ
ショック(脱臼・骨折・ケイレン) →病院へ
①Rest(安静)
損傷部位の腫れや血管、神経の損傷がある
添え木の代わりに段ボールも使える
②Ice(冷却)
二次性の低酸素傷害
1)ビニール袋に氷を入れて、口を当て吸って空気を抜く
2)患部を冷やす(直接当てないで布・袋を利用)
3日たったらあまりやらない
③Compression(圧迫)
内出血や腫れを防ぐ
スポンジやテーピングを腫れのある所にあてる
④Elevation(挙上)
腫れを防ぐことと軽減を図る
損傷部位を心臓より高く挙がる
:シップはRICEになりえるか ⇒ 氷があれば氷の方がよい
メディカルチェック(運動参加前の医学的検査)
内科系…主に循環器疾患、特に心臓
心肺蘇生法
テニス肩
水平に腕を上げた時に、痛いとか音がする
・予防と治療:ストレッチ、安静、ヒアルロン酸、腱板トレーニング
テニス肘
チェック法:手を伸ばして中指を押し、反発しようとした時に痛みがある
手首のチェック:ねじる動作で痛みがある(手首の周囲の腱鞘炎)
・予防:終わったあとのアイシング
股関節のチェック
仰向けに寝て片膝をおなかに近づけると反対のおしりが上がる
膝関節
急性:靭帯・半月板・軟骨などの損傷
慢性:腱鞘炎
・片足スクワットで、膝が内側に入る人は靭帯を痛めやすい
ふくらはぎ
アキレス腱の痛み:治療、運動制限、アイシング、ストレッチ、筋トレなど
アキレス腱断裂 :急激なダッシュ・ストップ時
熱中症
軽度 :熱失神、熱疲労、めまい(血圧の低下、顔面蒼白)
中度 :熱けいれん(大量の汗をかく、足・腕の痛み)
重度 :熱射病(意識障害、激しいおう吐、死の危険性がある)
熱中症になったら
・足を少し高くして寝せる
・衣服をゆるめる
筋ケイレン
処置 :強く収縮している筋をゆるめる
無理に伸ばすと逆効果
ゆっくり時間をかけて、マッサージしながら伸ばす
予防 :カルシウム・マグネシウム・カリウムを取る
芍薬甘草湯(漢方薬)
質疑応答
Q:ケイレンが起こった時、シューズを脱がせた方がよいか
A:特に脱がさなくてもよい、マッサージ等の処置がしやすければ脱がす
Q:ケイレンは温めた方がよいか
A:温度は関係ない。ストレッチの後は冷やす
Q:コールドスプレーは
A:一時的なものにすぎない